栃木産業保健総合支援センターは勤労者の健康確保を図るため、産業保健に携わる皆様のお役に立てるよう努力しております。
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栃木県下の事業場に於ける健康支援の実態とその方策に関する検討


1996/01/01 09:00

表3 THP導入のきっかけ
導入のきっかけ(重複回答可) 度数
経営者の理解・すすめ 80 38.6
労働基準局・監督署のすすめ 59 28.5
産業医のすすめい 53 25.6
従業員からの要望 38 18.4
肥満、高血圧等の慢性疾患が多い 29 14.0
サービス機関のすすめ 28 13.5
疾病率・休業率が高い 63 7.4
日誌など職務上の記録の整備 8 3.9
助成金がでる 5 2.4
その他 26 12.6

4.結果と考察

  1. 現在、産業保健スタッフの戸惑いは、作業環境管理・作業管理より健康管理に関わることが多く、健康診断に約41%、THP導入方策に約27%と、健康確保対策に遅疑逡巡をみせ、実施上の問題点として、スタッフの研修不足が約20%、時間が十分でないが約19%あげられた。産業保健活動は事業者の理解があってはじめて活発に進められる。 事業者には健康診断の目的、THPの必要性を啓発することが、また、スタッフには実際に活動する上での必要な知識や能力などをつけるための研修会等の開催を検討し、今後、本センターの支援サービスとして、重点的にその機会を速やかに設定する必要性が示唆された。
  2. 健康づくりは約68%の事業場にみられたが、THPにかぎってみると、その導入実施は約25%であった。 適切な指導者がいない等の理由で実施率はかなり低いが、産業保健担当スタッフのTHPへの取り組み姿勢は十分に伺われ、従業員も福利厚生対策として、健康づくりを望むようになってきたことを考えると、これら未実施の事業場へ、THP活動を推進していく「使える情報」の提供が望まれる。 現場の実態に即したアドバイスが求められ、実際に実施するスタッフに対する研修の機会も求められている。THPの研修は講義・講演方式だけでなく、実習・実技を検討する必要があり、「労働者健康保持増進機関」や「THP推進協議会」などの関係機関を有効利用し、実習・実技研修の支援サービスを設定・展開していくことが必要で、事業場規模等を考慮した標準的なTHP実施のマニュアルの開発も検討されなければならない。

最後に、本センターに求められた健康支援・確保の知識・技術向上研修の期待は大きく、この支援課題の達成が、県下の産業保健活動の更なる活性化を促進させると考えたい。


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