栃木産業保健総合支援センターは勤労者の健康確保を図るため、産業保健に携わる皆様のお役に立てるよう努力しております。
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認定産業医の産業医活動実態調査


2003/01/01 09:00

  • 9 産業医の勤務形態 (図12-1)

    大規模事業場には専属産業医を常勤で任用なければならないのに、必ずしも充足されていないというのが実態である。嘱託産業医を兼務している医師が2%、非常勤の嘱託産業医が62%、産業医はしていないが31%を占めていた。

  • 10 今後、嘱託(非常勤)産業医としての活動を考えているか (図13-1)

    嘱託産業医をしたいと考えている医師が2/3にも及んだ。このことは、地域医療の中で「産業医活動」が定着してきたことを示している。栃木県下の地域産業保健センター活動はいずこも活発であるので、地域産業保健センターで活動されるよう期待したい。

  • 11 今後、嘱託(非常勤)産業医となる予定があるか (図14-1)

    折角、50時間の講習会を修了したというのに、嘱託(非常勤)産業医となる予定のある医師は僅かに3人(3.5%)であった。

  • 12 今後、専属産業医をしたいと考えているか (図15-1)

    今回の調査では、専属産業医として働いてみたいという医師が86名中27名(31%)もいた。専属産業医として仕事したいという医師が多かったのは意外であったが、?常時、産業医を選任しなければならない50人以上の事業場、また、?労働者が1000人以上の事業場や常時500人以上の労働者がいる危険有害業務のある事業場では専属の産業医を置かなければいけないと定められているので、これらの事業場で活躍して戴きたい。

  • 13 専属産業医としての勤務予定(表16-1)

    専属産業医になる予定のある医師は76名中1名のみだった。一部の認定産業医は専属産業医として仕事したい(図15-1、31%)が、必ずしも然るべき職場が見あたらないのではないか。一方、事業場からは「専属産業医を探すのが大変」とも声も聞くので、今後、専属産業医の紹介をする公的機関が必要になってきているのではないか。

  • 14 現在、専属産業医である医師の現状

    県内には14名の専属産業医がおり、うち2名は女性であるが、性、年齢の区別なく、みな、活発に活動している。また、「専属産業医の会」を作って定期的に仲間が集い、勉強会も開催している。

    1. 産業医としての経験(通年)年数 (図17-1)1 産業医の年齢と性別 (図1-1、図1-2))

      193名中5年未満が57名(30%)で、多く(136名)は5年以上産業医として活躍していた。

    2. 産業医となった経緯 (図18-1)

      193名中5年未満が57名(30%)で、多く(136名)は5年以上産業医として活躍していた。

    3. 産業医になった動機 (図19-1)

      「地域の事業場の健康管理に責任があると感じたから」が44%で最も多く,次いで「単に依頼されたので受けることにした」が36%、「産業医は重要で、やりがいのある仕事だと思ったから」が31%であった。

    4. 産業医契約の方法 (図20-1)

      「医師会が定めた書式による契約書で」が最も多く58%、次が「それ以外の文書契約で」で28%であった。しかし、「口頭契約」が6%あった。

    5. 産業医をしている事業場数 (図21-1)

      県内には14名の専属産業医がおり、うち2名は女性であるが、性、年齢の区別なく、みな、活発に活動している。また、「専属産業医の会」を作って定期的に仲間が集い、勉強会も開催している。

    6. 産業医として管理をしている従業員数 (図22-1)

      2カ所の事業場の産業医を兼務している嘱託産業医が28名、3カ所の事業場の産業医を兼務している専属産業医が2名、嘱託産業医が27名いた。

      図表22-2に示した従業員数は1事業場ごとの従業員数「範囲」であるので、今回の調査では一人の産業医が何カ所もの事業場を兼務している場合、総計何名の従業員を管理しているのかは分らない。

      50名以上の労働者を使用する事業場、また、常時、危険有害業務をもつ事業場では産業医を選任することとなっているが、これも明確することができなくなっている。1,000名以上の事業場の産業医数は12名(%)、500〜999名の事業場の産業医は15名(14%)、500名以下の事業場の産業医は83名(76%)であった。

    7. 専属か嘱託か (表22-1+表22-2+表22-3)

      大規模事業場の専属産業医であっても大規模事業場には近辺にある関連事業場の産業医を併任し、数多くの事業場の嘱託産業医として活動していることがわかった。

    8. 産業医活動をしたいか(図23-1)

      「これ以上、産業医活動を広げるゆとりがない」が62%に達した。従って、 50時間の「日本医師会認定産業医学講習会」をもう少し頻回に開催し、認定産業医を、多数、養成する必要がある。

    9. 産業医の月間活動日数と報酬(月額)(図27-1、図28-1,図29-1)

      月間活動日数が1回が多い(51%)ためか、報酬月額は1〜2万円であった。産業医個人により、訪問回数、勤務時間、産業医としての資質などが大きく異なるので報酬額が1万〜10万円と幅が広いのも仕方あるまい。

    10. 産業医の業務内容 (図30-1)

      健康診断の事後措置、健康相談、保健指導、健康診断結果の判定、職場巡視は多かったが、肝心要の「衛生委員会出席」が40〜50%というのは困ったことで、認定産業医講習会初期研修、生涯研修の折に、充分、理解して貰うよう話をしなければなるまいと考えている。

    11. 産業保健スタッフ (図31-1〜31-3)

      職制としては保健師、看護師、準看護師、放射線技師、薬剤師、臨床心理士、その他など、多くの職種のスタッフが活動していた。

      勤務形態は、保健師は29名が常勤、7名が非常勤、看護師(準看護師を含む)は21名が常勤、9名が非常勤、診療放射線技師は常勤10名、非常勤2名、薬剤師は常勤8名、非常勤2名、精神科医(心療内科医を含む)は常勤2名、非常勤8名、臨床心理士は常勤2名、非常勤2名であった。

    12. 産業医として事業場から相談を受けた項目 (図32-1)

      一番多かったのは「快適な職場環境づくり(61%)」、次いで「職場の分煙、喫煙(45%)」、「精神疾患や痴呆性疾患の従業員(32%)」であった。

      「このような相談をする事業場の産業保健レベル」はかなり高いと考えられるので、「この調査結果を一般事業場の産業保健改善時の資料に採用しない注意」が必要である。

    13. 事業場の衛生委員会出席の有無 (図33-1)

      委員会がない事業場(40カ所)を除くと、毎回、衛生委員会に出席する産業医が26%、時々、衛生委員会に出席する産業医が32%で、出席率が高かった。しかし、こうした「調査に返事した優良事業場」であるので認定産業医のいる次号場全てがこんなにも高い出席率と考えられないので、もう少し低めに考えるべきなのだろう。

    14. 産業医の職場巡視 (図34-1)

      制度上は月1回は職場巡視をすることになっているが、本調査では、「月1回は巡視する」が35%、2〜3ヶ月に1回は巡視するが22%であった。これだけ産業医が頻繁にキチンと職場巡視をしているのは素晴らしい。「日本医師会に認定産業医制度」が本格的に事業場の産業保健活性化に役立っていることが明らかになったことは喜ばしい。

    15. 産業医として指示や質問、議論する相手 (図35-1)

      身近な安全衛生管理者等が60%、次いで、事業主、現場の責任者gともに39%であった。安全衛生担当者は事業場内部のヒトで順序、序列もあり、率直に、話をすることが難しいこともあるが、産業医の場合、こうしたしがらみがないので、誰にでも、直接、話をすることが出きるメリットがある。今回、調査対象となった産業医も控訴他利点を充分に活用して、必要に応じ、事業者に、直接、意見を述べていることが分かった。

    16. 事後いう場より保健指導などの講師を依頼された場合 (図36-1)

      「引き受ける」が55%、「出来るだけ引き受ける」が39%で、「引き受けない」は僅か6%であった。に根知産業医には積極的なひとが多いことを喜びたい。

    17. 事業場で定期健康診断で実施している項目 (図37-1)

      多かったのは「異常所見のある従業員に対して健康診断結果に基づく結果説明」(57%)、「健康診断結果に基づく保健指導」(55%)、「健康診断結果に基づく専門医等への受診勧奨や紹介状の作成」(49%)などであった。

    18. 健康診断個人表の「医師所見欄」 (図38-1)

      「異常のある場合は概ね自分で記入する」が40%、次いで、「殆ど全ての従業員の個人表に自分で記入する」と「口頭でのべて他の者が記入する」がそれぞれ 20%であった。

    19. 現在担当している次号場の有害業務 (図39-1)

      多かったのは有機溶剤41%、騒音28%、VDT25%、腰痛(重量物取扱い)20%、深夜業18%であった。


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